こころみ学園のワイン醸造場『ココ・ファーム・ワイナリ―』
今回やってきたのは栃木県足利市にあるワイン醸造場『ココ・ファーム・ワイナリー』です。
ココ・ファーム・ワイナリ―は1958年に計算や読み書きが苦手な生徒たちと特殊学校の教員である川田昇さんにより開墾されました。園生の仕事は多岐にわたり、葡萄の栽培、草刈り、ワインの製造作業など・・・
カン!カン!カン!と葡萄畑に響き渡る音も大事な仕事の一つ。葡萄畑を荒らすカラスを追い払うために1日中空き缶を叩き音を響かせます。
ココ・ファーム・ワイナリーの自家畑では除草剤を撒かずに、草刈りを園生の大切な仕事にしています。
足利の山奥を開拓してから約60年。
現在は約150名の園生とともに葡萄畑の管理やワインの醸造を行っています。
自家畑の大きさは約6ha、ほかに北海道や山形、山梨、長野などの栽培農家とも契約をしています。
山の葡萄畑の平均斜度は約38度。日当たりが良く、水はけもよいため葡萄にとって育ちやすい環境です。
急斜面のため大きな重機は入ることができません。そのため土はやわらかく除草剤も一切撒いたことのない健康な土によってはぐくまれています。
また山頂からは足利市が一望できます。
そんな絶景の中で「NOVO」というスパークリングワインをいただきました。
こちらは2000年の九州沖縄サミットの晩餐会で提供されたものです。
NOVOは日本で生まれた交配品種リースリング・リオンという品種の葡萄を100%使用しています。
みなさん、スパークリングワインがどのようにできているかご存じですか?
ワインに炭酸を混ぜる…だけではないんです!
今回いただいた、NOVOはシャンパーニュと同じ製法の「瓶内二次発酵」という製法を用いています。
2017年に収穫した葡萄でワインを造り、スパークリングワイン用の酵母と糖分をいれ、王冠をし、寝かせます。3年間寝かせた後ボトルを一日2回朝晩まわします。これを100日間続けていきます。
ワインの中に酵母を入れるとアルコールと二酸化炭素が発生し、その二酸化炭素がワインに溶け込むことでシュワシュワとした泡になります。
酵母は食べるものがなくなると動かなくなり、澱(おり)と呼ばれるものになります。
ボトルを逆さにして毎日ちょっとずつ回す理由は少しずつ振動を与えて、ビンの側面についた澱を取るためです。
取れた澱を口のほうに集めて、-30℃で凍らせ王冠を外すとガス圧で凍った澱が出てきます。減った分は同じワインを継ぎ足して調整します。
最後にコルクをして、ワイヤーをかけて完成!手間と時間がとてつもなくかかっているんです。
ココ・ファーム・ワイナリーのワインの美味しさは、「葡萄がなりたいワインになれるよう」その持ち味を生かすこと。
コツコツと手仕事を惜しまず、どこまでも自然に寄り添う。葡萄の声を聞き魅力を最大限に引き出すためのこだわりがあります。
・除草剤を使用しない
草刈りは園生にとって大切な仕事です。それを奪ってしまわないために、葡萄畑は開墾以来一度も除草剤を撒いたことがありません。除草剤を撒かない葡萄畑にはいろいろな草花が生え、たくさんの虫やたくさんの鳥たちがやってきます。秋になると鳥たちが葡萄をねらうので、朝から晩までカンを叩いてて追い払う仕事が必要になります。
・野生酵母を使用
ココ・ファーム・ワイナリーのワインは、葡萄の果皮などにもともとついている野生酵母を使用して作られています。一般的な培養酵母と比べ管理が難しい野生酵母を使うのは、葡萄本来の自然の持ち味を引き出すためです。
・適地適品種の栽培
足利の自家畑は「字小松沢」というように、小さな松しか育たたないような痩せた土地です。そんな土壌や気候のなかで無理なく元気に育つことができる葡萄品種を選ぶことよって、病気にかかりにくく、虫の害があっても自分の力で回復することができ余計な消毒もしなくてすみます。
ココ・ファーム・ワイナリーにはカフェが併設されています。
こころみ学園栽培の新鮮野菜やハーブなど地元の農産物や安全な素材を中心に、自家製ワインとともに美味しいお料理を葡萄畑を眺めながらお楽しみいただけます。
また、テイスティングやワイナリーの見学などを行っておりますので、ワインに興味があるという方はぜひチェックしてみてください!
チーズガーデン那須本店でも、ココ・ファーム・ワイナリーのワインを販売していますので、お立ち寄りの際はぜひご覧ください。
詳細はこちら▽
ココ・ファーム・ワイナリー
住所:〒326-0061 栃木県足利市田島町611
URL:https://cocowine.com/